【コラム第2回】 「ナチュラル」と「オーガニック」の違いを解説


[ナチュラル成分配合」「自然由来の美容成分」「オーガニックコスメ」—など、店頭やネットで見かけるこれらの言葉は、なんとなく“体に優しそう”という印象を与えてくれます。



しかし、実際に「ナチュラル」と「オーガニック」の明確な違いをご存じでしょうか?

消費者だけでなく、企業や美容関係者の間でも、この二つの用語は混同されて使われることが非常に多いのが現状です。

今回は、肌に直接触れる製品を選ぶうえで知っておきたい、「ナチュラル」と「オーガニック」の違いと、その根拠となる基準や認証制度について詳しく解説します。



「ナチュラル」とは?

「ナチュラル(Natural)」とは、日本語で「自然な」「天然の」という意味ですが、実は化粧品や日用品において、法的な定義は存在しません。

極端にいえば、植物エキスが1%でも含まれていれば「ナチュラル成分配合」と記載することも可能なのです。

つまり、「ナチュラル」は印象としての言葉であり、成分の含有量や製造方法が厳密に定義されているわけではないということになります。



「オーガニック」とは?

一方で「オーガニック(Organic)」は、農薬や化学肥料を使用せずに栽培された有機農産物を原料に使っていることを意味します。

この言葉には、国や地域、製品カテゴリーによって厳格な基準が存在し、第三者機関の認証が必要な場合が多いです。

例えば

・欧州のEcocert/COSMOS認証

・アメリカのUSDA Organic

・日本の有機JAS(農産物のみ)

などが代表的です。



これらは単に原料がオーガニックであることに加えて、製造過程、保存料、香料、パッケージなども審査対象となります。



ナチュラルとオーガニックの違い

なぜこの違いを理解することが大切なのか?
現代の消費者は「安心・安全」「環境に優しい」製品を求める傾向が強くなっています。しかし、その需要を受けて、「ナチュラル」という曖昧な表現が乱用される傾向も見られます。

認証されたオーガニック製品は透明性が高く、誰でも認証機関の基準を確認できるため、企業にとっては「信頼の証」、消費者にとっては「選ぶ基準」になり得ます。





今回のまとめ:『言葉ではなく、基準を見て選ぼう』

似ているようで大きく異なるこの二つの言葉は、単なるイメージ戦略としてのラベル以上に、私たちが未来の社会と環境をどう守っていくかの「選択」でもあります。