【コラム】本物のオーガニックを見極める! Ecocert認証とは何か?

近年、健康志向やサステナビリティへの関心の高まりとともに、「オーガニック製品」を選ぶ人が急増しています。しかし、店頭やオンラインで「オーガニック」や「自然派」を謳う商品が増える中、私たちは何をもって“本物”のオーガニックと判断すればよいのでしょうか?

その答えの一つが、「Ecocert(エコサート)」という国際認証機関の存在です。

Ecocertとは?

Ecocertは、1991年にフランスで設立された世界的に信頼されるオーガニック認証機関です。本部はトゥールーズにあり、現在では世界130カ国以上で活動を展開しています。もともとは有機農業の認証機関としてスタートしましたが、現在では食品以外にも化粧品、洗剤、テキスタイル、香料、農薬、エネルギー関連製品まで、その認証範囲を広げています。

特にオーガニック・ナチュラルコスメティクス(化粧品)の分野では、EcocertはCOSMOS認証の創設メンバーの一つでもあり、ヨーロッパを中心に、世界のナチュラル・オーガニック市場で広く認知されています。

出典:Ecocert公式サイト

COSMOS認証とは?

Ecocertが関与する「COSMOS(コスモス)認証」は、2017年より本格運用が開始された、化粧品業界の国際的なオーガニック認証基準です。

ドイツ(BDIH)、フランス(COSMEBIO、ECOCERT)、イタリア(ICEA)、英国(SOIL ASSOCIATION)の5団体が協力して設立した統一国際基準で、Ecocertが審査・認証を担う製品はこのCOSMOS基準に準拠しています。

COSMOSには以下の2つの主な認証区分があります。

◎ COSMOS Natural(ナチュラル化粧品)

全成分の95%以上が天然由来であること

合成香料、着色料、パラベン、シリコン、遺伝子組換え原料(GMO)などの使用は禁止

環境に優しい製造方法と分解可能なパッケージを使用

◎ COSMOS Organic(オーガニック化粧品)

上記のナチュラル基準を満たすことに加え、

植物原料の95%以上がオーガニック原料であること

全製品中20%以上(洗い流す製品は10%以上)がオーガニック原料であること

このように、Ecocert認証は単に「オーガニック成分が含まれている」だけでは得られません。製品全体の設計・原料調達・製造プロセス・パッケージまで含めた“製品のライフサイクル全体”が審査対象となります。

出典:COSMOS-standard.org

欧米でのEcocert認証の認知度と評価

ヨーロッパでは多くのオーガニック専門店や薬局、さらにはホテル・スパ・医療機関などでも、Ecocert認証製品が“安全性”“信頼性”の基準として使われています。また、アメリカにおいても、食品分野では「USDA Organic」が主流である一方、非食品(特にスキンケア、パーソナルケア、家庭用洗剤など)においてはEcocertやCOSMOS認証が広く採用されつつあります。

Whole FoodsやTargetなどの大手小売でも、Ecocert認証マークは「クリーンビューティ」の象徴として認識されており、消費者の選択基準のひとつになっています。

Ecocert認証の意味 ― 医療・介護・美容の現場でも

日本でも、病院や高齢者施設、美容サロン、オーガニック専門ショップなどで、「本当に肌に優しい、安全性の高い製品」を求める声が高まっており、Ecocert認証を取得した製品は、現場でも安心して使える“証”としての機能を果たしています。

肌の弱い子どもや高齢者、化学成分に敏感な方にも安心して勧められる基準であり、企業の環境・社会的責任(ESG)の一環としても評価される要素となっています。

今後に向けて

当サイトでは、今後このような認証の解説だけでなく、成分の選び方、製品の違い、消費者が誤解しやすい表記の注意点などをシリーズでわかりやすく紹介していく予定です。

信頼できるエビデンスとともに、皆さまの「選ぶ力」を高める情報をお届けします。